グリーンツー

劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

名前だけは知っていた作品。で、美味しいところをしっかり凝縮した感じなんだけど…やっぱり名作だと思った。

ニックネームが示す通り「先進的」な考え方を持つヒロインなんだけど、許嫁との出会いによって段々日本古来の「大和撫子」的なキャラクターに変わっていく。いや、実は本来持っていたキャラクターが表に出てきたという方が正確なのかもしれない。原作ならその「変化」をもっとしっかり楽しめると思うんだけど、今回も充分楽しめた。

「はいからさん」なんてニックネームに騙されるけど、ヒロインは別に「新しいものが好き」というわけではない。環境や時代の中で「自分はどうするべき、どうあるべき」という疑問を常に納得いくまで考える人なんだと思う。勿論最初は単なる西洋かぶれや慣習に対する反発もあったんだけど、伊集院家に行ってからはそうではない。だから、よくよく考えたら彼女自身の根本は変わっていない。

まだ前編しか観てないからランキングの対象外だけど、来年後編を観たら間違いなくランキング上位に来る作品。

ちなみに平塚雷鳥や市川房枝が言うまでもなく、女性は「太陽」だと思う。平塚雷鳥は女性の選挙権を求めて運動を起こしたことで有名になったけど、だからその時代を「男尊女卑」とか「差別」と捉えるのは間違いだと思う。「選挙権」自体が世界史の中で比較的新しい考え方だし、今でも国民に選挙権がない国だって多く存在する。今の価値観で、当時の社会状況を判断することは絶対におかしい。それに平塚雷鳥や市川房枝が当時どんな風に世間から見られていたのか。個人的には多分田嶋陽子や福島瑞穂、辻元清美あたりと変わらないレベルだったのではと思う。

続編も楽しみ。