無味

退屈な日々にさようならをの無味のネタバレレビュー・内容・結末

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最近、小学校の同級生が亡くなっていたことを知った。3年前の夏、内輪でのちょっとした同窓会があって、私は参加できなくて、当日かかってきた電話にも出られなかった。後日グループLINEで、唯一参加できなかった私にも話題を振ってくれていたのがその人だったことに、最近LINEを見返したときに気付いた。「また今度」は来なかった。落ち込んだ。当たり前に生きていると思っていた。私なんかが生きているんだから、みんな、当たり前に生きていると思っていた。記憶の中の私とみんなは生き生きとしていて、まぶしい。だからいまだに信じられない。私の知っている彼と自殺はどうしても結びつかない。私の何もかもが当時と違うように、みんなもたくさん変わったんだと思う。10年も経っているから、当然だと思う。でも私は、みんなの変化を知るのが怖くて、本当はずっと避け続けていて、そうする限り、みんなはずっとまぶしくて、みんなはずっと生きていた。転校してからの10年、私はずっとつらくて、だから、幸せだった過去を真空保存していたかった。そうして心のいつでも取り出せる場所に置いて丁寧に扱った。子どものままのみんなで、私だけのユートピア。今を拒絶しては、過去への期待だけが膨らんでいた。それなのに、彼の訃報を知ったとき、私はいまさら彼の10年を知りたいと思ってしまって、本当に最低だった
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