凄く良くできたドキュメンタリー。
2007年に事件が起きてイタリアの最高裁での最終判決がその8年後に出て、結果無罪となったアメリカ人女性アマンダ・ノックス。
彼女は交換留学生として行った先のイタリアでルームメイトの女性を当時付き合って5日目のイタリア人男性と共に殺害したとされ、1審で有罪、控訴審で無罪、さらに2年後に有罪となり最終判決で無罪となった。
このドキュメンタリーは、アマンダ本人を語り部として、彼女のイタリア人の恋人、その事件に関わった刑事やフリージャーナリストなどの証言をもとに語られる。
彼女が本当に無罪なのか?
これを見る限り、有罪であることの方が不自然だと感じる。ではなぜ2度も有罪とされたのか?
彼女が最後に語る言葉がまさにそれを表していると思う。
人々はモンスターが好き。
このドキュメンタリーにはハッキリとした意図が見える。
それは、報道によって操られる人。人ばかりか裁判までもそれに左右されてしまうということ。そして、警察も人々が注目し求める証拠ばかりに注目して事実を見誤ってしまうということ。現代の科学捜査の進歩があってもなお、人が人を裁くことの難しさ。イタリアというお国柄もあるかもね。
登場するフリージャーナリストが事件後には所詮ザ・サンというイギリスのタブロイド紙の記者になっているというのも納得。こういうやからが過剰な報道で1人の女性を面白おかしく書き立ててゆくんだな。そしてそれを眉をしかめながらも貪るように読む人々。
怖い話だ。
ネットフリックスオリジナルのドキュメンタリーだけれど、こうやって方向性がハッキリしているので、少々作られたように感じる部分もあるけれど、かなり面白い。
これに登場してる刑事とジャーナリストはいくらもらって出演してるんだろうとか考えちゃった。かなり貰ってるな。恥さらしめ。
そう言えばトランプもなんかのたまってた。
これを面白がって見てしまう自分にも注意喚起します!