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王冠の真珠の47のレビュー・感想・評価

王冠の真珠(1937年製作の映画)
3.5
面白かったが、少し中弛みした印象。
残り三つの真珠の行方は? というパートが蛇足とは言わないし必要な部分だとは思うのだが、どうにも冗長だった。全体的に、もう少し切り詰めても良かった気はする。
でもあのオチは好き。
あの海はどう見ても海に見えないというか、泳いでる魚も淡水魚のように見えるし、いろいろと可笑しいところにまた笑わされる。
副詞のみで会話するパートもいちいち面白かった。
歴史的な部分に関してもすごく面白かった。不必要に長くなるので省いただけだろうが、ヘンリー8世の女性関係についての描写が史実より多少マイルドになっていたかと思えば鳥の首をナイフで切るくだりのグロテスクさや皮肉が良い。
カテリーナと男二人のカットもフェティッシュ。あのへん、教会で一定以上地位を得ると妻帯できなくなる、というような説明が無いのはやはり当時としては常識の範囲内だからだろうか。シンプルにテンポの問題でもある気もする。
有色人種の扱いに関しては「当時ってこんなもんだよな」という乾いた絶望があり、まあそういうものを実際に見られて良かったとも思う。
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