スズランテープ

ビリディアナのスズランテープのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
3.5
新年1発目!面白い作品でよかった。
ルイス・ブニュエルのアイロニカルな物語のタッチと、捻くれていてある意味正直な人間に対しての目線が光る挑発的な作品。

なんだかんだで序盤の『めまい』的な展開が好きだったな〜。他人を自分の思っているものに同化させようとすることって、映画の中ではかなり強力なアクションになるよね〜心の中に誰しもが持ち合うる精神活動でありながら、変態性や、意外性や、虚しさや、厭さを同時に表現できるのがいい。それゆえ物語の中で強烈に機能すると思う。事実今作では今あげた全てを感じた。

序盤のこの展開が他者からの信仰の強要に繋がっていく構成も見事。信仰とブルジョワの生活の両方を破壊する愚者の姿に、皮肉めいた崩壊のカタルシスを感じる。これがたまらんキモチィィィィィィィィィ!

ただ中盤がめっちゃ退屈。
スズランテープ

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