Ike

ビリディアナのIkeのネタバレレビュー・内容・結末

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

修道女ビリディアナは経済支援を受けている疎遠な叔父の元を訪れる. なんやかんやあって叔父は死に、修道院に戻ることを諦めた彼女は叔父の屋敷でひっそりと神の道を歩み続けることを決意する. まさにビリディアナは俗世に堕ちてきた天使の様だ. ビリディアナは貧しい人たちへの支援を精力的に行うが待ち構えていたのは、なんと、信仰の圧倒的無効さ、無力さ!! いくら神の教えを説こうとも支給されるものをありがたく受け取るだけで貧乏人たちの心には全く響かない、すなわち彼らの本性は変わらない. ここで最高なのがこの貧乏人たちが最後の晩餐のポーズをとること. これが強烈な皮肉になっているのだ. マジでシビれた. 結局最後にはビリディアナすらも襲われる始末.
沈黙-サイレンス-で見たキリスト教の「教理」と「実践」の乖離ではなく、そもそも「教理」が間違っているという、実にブニュエルっぽい指摘. カトリック教会激怒.

ところで、叔父役のフェルナンド・レイはフレンチコネクションでみかけたな. 顔は同じでも随分と印象が違うんだな.
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