おらんうーたん

ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦いのおらんうーたんのレビュー・感想・評価

4.5
オチには不満があるが最初から最後まで激しい銃撃戦が続く見応えのある映画だった。

WWⅡが終わって約15年後の世界。西側諸国(アメリカ)、東側諸国(ソ連)の代理戦争に第三世界諸国が国連軍として派遣されている。作中に出てくる主人公たちはアイルランド軍、作戦主力部隊はインド軍が担っていた。歴史的背景をwikipediaで調べたが旧宗主国のベルギー、それを後ろからアメリカが操り、ソ連はアフリカへの足掛かりとして参加していたようだ。様々な部族が西洋諸国の植民地主義によって分断、統合された影響が窺える。敵対勢力だったチョンベが全ての人がコンゴ政府を支持していない、との発言は民族的な意味もあったのかなと考えさせられる。WWⅡ以降の世界を高校の世界史で学べなかったのは痛いなと感じさせられた。

当時の事務総長はスウェーデン人、主人公たちはアイルランド人、そして他にインド人たちと、第三世界の国々が二つの強大な陣営に挟まれ、翻弄されながらも国連や世界平和のために戦ってきたのかと考えさせられた。
アイルランドもこの頃はIRAの影響なども受けていただろうに。

ともかく背景とオチは歯切れが悪いが、アイルランド兵の戦いぶりと目の話せない戦闘シーンの連続は久々に見応えのある映画だった。