このレビューはネタバレを含みます
公開当時に劇場で鑑賞。
「どうやって殺したか」よりも「なぜ殺したか」を掘り下げていくから、徐々に動機の形が見えてくるのが素敵でした。
終盤のシーンが印象的。
ひとつはポアロが通路で1人、善悪について葛藤する数秒のシーン。
もうひとつは乗客を乗せて太陽に向かって進んでいく列車との横で、それとは反対方向に歩いていくポアロの姿。
彼の決断の重さを感じる。
恥ずかしながら原作未読だったので犯人が明かされた時は脱帽って感じでした。
小説が出た当時にこのストーリーはよほど斬新だったんじゃないかと。
推理小説には決して明るくないですが、アガサ・クリスティって唯一無二の才能を持ってたんだなぁ。
ただ、原作を知らないままだとキャラクター全員の顔と名前を一致させるのが結構大変。
人数が多いからキャラクターを掘り下げられる人も限られているし。
でも映像も音楽も美しく、流れのままに鑑賞できました。