むぶどん

オリエント急行殺人事件のむぶどんのネタバレレビュー・内容・結末

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自称"おそらく世界一の探偵"、エルキュール・ポアロ。彼がイギリスに向かうため乗ったオリエント急行で殺人事件が起こる。難航しながらも捜査を続けるなか、ポアロはこの事件の背景に悲劇があった事を知るが……。
その意外性から何度も映像化されたという『オリエント急行の殺人』。そのためか宣伝でも堂々かつバンバン言っちゃってるよねコレ。一応いるんですよ、結末知らなかったって人が。ここに。いやまあ劇中でその結論に至るちょっと前くらいまでは言葉のアヤだろとか思ってたさ。だいぶぶっ飛んだオチだし(でも原作は1934年発表とかいう化け物)。実際犯行内容にだいぶ無茶があるような気もするけれど、それでもインパクトあり、悲劇性もバッチリ、最後にポアロが下した決断もしっくりくるもので気にならなかった。列車が太陽に向かって行くように見えるラストシーンも素晴らしい。また、冒頭に繰り広げられるエルサレムでの一件はポアロの天才ぶりとおそらくそれから来る変な性格が強調されていて好き。杖の使い方は探偵の力というよりもはや予知能力でしょってツッコミ入れたかったけどテンポ良く進んでたのでそれほど引っ張られず。
ストーリー以外の良かった点としては、ごった返す街、オリエント急行が動き出した時のイスタンブール、オリエント急行が走っていく雪山での数々の風景などの映像の美しさが挙げられる。あとは横にシュッ、下にポンとまるで筆で書いたようなポアロのヒゲがかわいい。ポアロ自身もひと癖ふた癖ある感じが良かったんだけど、情緒不安定ぎみというか突然キレ出すシーンだけちょっとらしくないように思えた。また、ジョニー・デップやジョシュ・ギャッド、ミシェル・ファイファーとか、他の作品で観たことあるキャストが多数。もっと多くの映画を観てから見直したら、他の出演者も分かるようになるかも。ちなみに音楽(BGM)はあまり印象にない。どちらかというと予告編の音楽、Imagine Dragonsの『Believer』の方が耳に残ってたんだけど作品内では使われず。残念。

本編最後の展開通り、エジプトを舞台にした次回作が制作決定だとか。本作のように綺麗な映像製作を目指すのだとすると難しいかもだが、是非ともシリーズ化してほしい。