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ダイ・ビューティフルのyukacafeのレビュー・感想・評価

ダイ・ビューティフル(2016年製作の映画)
3.8
初のフィリピン映画鑑賞。これまでLGBTを題材にした作品を何本も観てきたが、その中でも最もリアルに感じられる作品だった。

主人公トリシャに巻き起こる出来事をオブラートに包まずに描いていて、直視できない場面もあったが、彼女のまっすぐな生き様は、既成概念にとらわれず、自分らしい方法で自由に生きる強さを教えてくれた。様々な経験を経て、コンテストでステージに上がった時のオーラは神々しいほどで、内面から滲み出る美しさに溢れていた。

LGBTではない自分が軽々しく語ることはできないかもしれないが、トリシャの葛藤や疎外感は理解できる気がした。LGBTでなくても、自分が社会的マイノリティーであると感じたことがある人なら、誰でも共感できると思う。トリシャにとって何より大きかったのは親友バーブスの存在で、繕わない自分を理解してくれる人がいるかどうかは、人生を左右するほどの重要な要素なのだと改めて思った。

"Die Beautiful"というタイトルで、どうしてもユニークな死化粧にフォーカスが当たりがちだが、傷付きながらも逞しく生きていくトリシャの人生に、こういう生き方もあって良いのだと勇気をもらった。
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