のんchan

サーミの血ののんchanのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.9
スウェーデン🇸🇪の作品。
北欧の作品も好きなんです。

サーミ(人)とはスカンジナビア半島北部ラップランド及びロシア北部コラ半島に居住する先住民族のこと。
昔から知性が低い野蛮人とされ、日常的に酷い差別を受けていた。

監督・脚本のアマンダ・シェーネルは父親がサーミ人であり、その血を引いていて、サーミ人の本物の感情を歴史に乗せたドラマとなっている。


主演はサーミ語を話しトナカイの遊牧を行なっているという真のサーミ人の少女で、その妹や他にも素人のキャストを使っている。


サーミの少女エレ・マリャは妹と一緒に親元を離れて寄宿学校へ通っていた。そこではスウェーデン人たちに陰口を叩かれ、キツイ仕打ちを受けていた。エレ・マリャは成績が良く進学を希望していたが、サーミ人を推薦することは出来ないと罵られる。
エレ・マリャは都会暮らしに憧れていた。あるダンスパーティへスウェーデン人と偽って忍び込みイケメンのニクラスに誘われたまま良い関係になる。そして、金持ちのニクラスを頼って列車に乗って豪邸を訪ねるのだが...

冒頭とラストに出てくる失礼ながら顔中縦横している深い皺の老女。それは故郷サーミに置いてきた妹の葬式に気を重くして参列するエレ・マリャだったのだ。彼女が過去を思い出すという描き方だった。
細かな説明がないので、観る者はエレ・マリャの気持ちを慮るしかない。

サーミだけでなく、世界中に知らない民族が存在しているだろうと察する。
この作品では民族の歴史も大切だが、自分らしく生きるためには長年に渡り罪悪感を持ちながら生きているのか?それと同時に差別化否定を強く感じ入った。
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