たるとたたん

サーミの血のたるとたたんのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
4.1
自分らしく生きたいと願っているだけなのに。
型にはめられて、好奇の目にさらされる。

伝統を守ることは大切だけれど、その文化をただ継承し維持することや、研究対象としてしか認知されないとなれば、誇りを持って生きることはむずかしい。
あまりに閉塞的で、息もできない。

初めて何者でもない、ありのままの自分で接したときに、同じ一人の人間として応えてもらえたら、希望を見出すだろうなぁ。

エレは賢いがゆえに、見えすぎてしまったんだろうなと思う。
目を瞑って、今までの暮らしに甘んじていくことはできなかったんだろうなと思う。

でも自分の足で立って、一から始めようとすると、名前やルーツ、お金がやっぱり必要で…

強がってはいたけれど、故郷や家族を恋しく思う日もあったと思う。
最後のヨイクは、大の仲良しだった妹さんへの思いを込めたレクイエムに聞こえた。
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