たく

サーミの血のたくのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.8
アナ雪2つながりで鑑賞。
スウェーデンで差別的扱いを受けてたサーミ人の話で、冒頭に出る"Sameblod"っていう題名の"Same”が「サーミ」と読ませておいて「同じ人間だよね」って意味にも取れてドキっとした。日本でのアイヌ民族とかアメリカ先住民とか黒人奴隷に共通する、人を人として扱わない人間の傲慢さが描かれる。

妹の葬儀に出席する老いた姉のシーンから始まって、この役者さんが予告映像で見る主役の女の子(ちょっとノオミ・ラパス似)にそっくりなのがすごかった。
自分の人生を生きるため、サーミ人としての誇りを貫くのではなく出自を捨ててスウェーデン人として生きるという哀しい道を選択した自身の晩年の懺悔に、同じスウェーデン映画のベルイマン監督「野いちご」を思い出した。
ラストのテントで、サーミ人の差別問題が過去の話じゃないってことが分かるのが切ない。

終盤でヨイクの歌を強要されるシーンがキツくて、このヨイクがアナ雪2のあの歌の冒頭で響く声につながってるとは思いもよらなかったね。
たく

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