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サーミの血のyunのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.4
違う人生を歩むと決めたとき、彼女はまだ幼かった。なので当時から自分のルーツに本当の意味で憎しみを持っていたとは考え難い。自分の決断がどれだけの人を傷つけるかも知らず、その上違う場所に行けば自分のルーツから離れられると信じていたのかな。それでも誰も彼女を責める事はできない。

歳を重ねても続く彼女のサーミ人、サーミの文化への憎悪の感情は長年にわたり構築されてきたものなのだろう。亡き妹に寄り添う姿を見て、彼女が幸せだったのか問いたくなる。差別から逃れようと環境を変えてもどこまでもついてくる差別。今の彼女は笑顔一つ見せるシーンすら描かれていない。
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