Akito

サーミの血のAkitoのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.0
1930年代のスウェーデンが舞台。他の人種よりも劣っているとされ迫害を受けていたサーミ人として生を受けた少女の物語。
初めて浴びる屈辱的な視線や言葉。自分の血を恥じ、名前すらも偽り、初めて踏み出した外の世界。それでも抗えないとわかった運命への絶望。どの瞬間を切り取っても、主人公は豊かな表情だけで、その感情を雄弁に語っていた。
他人事のように思える差別という普遍的な暴力をストレートに投げかけながらも、そこまで社会派の映画に傾けてないのもよい。
加えて人類学やスウェーデンの歴史など大いに知的好奇心もくすぐられる作品。よき。
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