だいご

ディザスター・アーティストのだいごのレビュー・感想・評価

3.9
トミー・ウィゾーが如何にして廃棄物の如きゴミ映画『The Room』を撮ったかを描いた作品。

トミーとグレッグの二人はひょんなことから出会い、映画スターになることを目指してロスへ移り住む。中々仕事にありつけない二人は、なら自分達で撮ればいいじゃないか!と小学生並みの安直な考えで映画を撮り始める。
トミーはお金だけはなぜかもっていて、行動力お化け。次々と機材やスタッフを調達してきて、脚本も書き上げ、映画を撮り始めるが、当然素人のトミーが指揮する現場は混乱を極めていく。。。

ここで語られる迷作『The Room』はつまらないとかいう次元じゃないんだよなあ。頭がおかしい。
例えば一例。ジョニーの誕生日パーティーの準備について話しているにも拘わらず、クローデットが唐突に「今日、私は病院で診察結果を受け取ったの。乳がんと診断されたわ。」と告げるシーンがある。このシーンの後、クローデットが乳がんを患っていることには全く言及されない。彼女が死を恐れる描写すらない。

一事が万事この通り。演技、脚本、演出全てが拙い上に頭のおかしいトミーは変な所にこだわる。周りのスタッフはそれに振り回されて、撮影現場は混沌としてく、その過程が面白すぎ。
ジャンルがコメディと気付いてさらに笑った。
だけど最後はなぜかしんみりする。そんな映画。彼も彼で理解されない孤高の芸術家なんだな。

役者が凄すぎ、『The Room』の台詞の間と言い完全コピーだもんなあ。"下手くそな演技"の演技って凄い難度高いでしょ。
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