Tomo

THE BATMAN-ザ・バットマンーのTomoのレビュー・感想・評価

4.5
バットマン2年生。
荒削りで不器用で不恰好な探偵。
コケるし落ちるしやられる。

1番印象に残った語りたいとこは
バットマンの登場シーンと
モービル起動シーン。

登場までの演出とタメが素晴らしい
エンジン音で『あっ!きた!』


靴をズチャズチャ鳴らして
雨の中を歩く様は
イースウッドのガンマンのようで。
影からヌルッと出てくるシーンは
ホラー映画の犯罪者。

煙の中から出てくるとこや
モービルのエンジンがかかったとき
エンジンの震えるあの音
まさに闇に胎動する怪物。

これは犯罪者もビビります。

赤を基調とした画面の色とホラーテイストなバットマンが最高に相性が良かった。



敵は死体と謎を置いていく、フィンチャー監督のセブンやゾディアックにでてくるようなシリアルキラー。
しかし、敵はそれだけでなく街に蔓延る犯罪と不正。向き合うバットマンの味方は僅か。

最後にバットマンと街と市民との間で生まれたもの。次作があるなら、是非とも焦点を当ててほしいところ。


ノーランのダークナイトトリロジーでもクライムアクションとして、地に足のついた現実味のある、これまでのバットマンとは違う風味を味わえました。
しかし、本作のザ・バットマンはクライムサスペンス。さらにザラザラとした汚い人と街を突き詰めていて息が詰まるような世界観。

パティンソンの儚げなウェイン
カッコいいけどモロそうで心配になる闇の騎士は初めてですね。
仮面をかぶってても感情を目で表す演技がすごい。

そしてペンギン!
コリンファレル!まじかこれ!?
アンタッチャブルのデニーロが演じたアルカポーンみたいだけど、すごいなぁ。
見た目も喋りもイタリアンマフィアそのもの。
ゾーイクラブィッツは可愛いし。

キャスティングも良かった!


一点イチャモンつけるなら
本作のバットマンは復讐に憑かれ、見境がなくなった様子で冒頭から暴力的な演出で出てきます。
しかし、途中から理性的になりつつあるのがちょっと残念。

相方のセリーナへ一線を超えないように諭したりと悪い意味でまともだったので、この作品のバットマンは活動して2年目。そんな彼の暴力的で理性と倫理観が欠如してる不器用な様子が見たかった。
パティンソンのバットマン疲れした様子はしっかり出てましたけど。
2年目であのやつれ具合…
10年単位で活動したら、さらに身も心もすり減るだろうなぁ…
Tomo

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