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THE BATMAN-ザ・バットマンーのEPATAYのレビュー・感想・評価

4.5
“悪”への復讐に取り憑かれた男が民衆を導く者になるというヒーロー誕生譚。2年前、アーサーの弱者救世論に傾倒した人々への“バットマン”としてのアンサー。バットマンでしか描けない物語で素晴らしかった。

バットマンとリドラーが対象的な存在っぽいけどそうじゃないのがその象徴。

リドラーとバットマンは同じじゃないよと示すあえての“ずらし”で、自身の弱者性を高らかに謳いヒロイックな悪に陶酔する人たちを冷静に突き放す。

一定のリズムで話が展開していくことや、同じ主旋律で繰り返される劇伴も素晴らしく、最初と最後ではすべての明るさが少しだけ変わっているのが、ブルースの内面の変化を表している。

バットマンが空を飛ぶシーンやバイクシーンの安っぽさにも大きな意味があり、私たちにとって如何様な存在としてバットマンを描いているのかが端的に分かる。

話が繋がっていることだけが“ユニバース”ではない。
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