このレビューはネタバレを含みます
コミックの1カットを切り抜いた様な街や建物の造形×抑えられた色調×ジアッチーノの不気味なサントラ、で構成された「detective batman」の世界観の作り込みがとてつもない。
兵器と武装が、「ハイテク過ぎない」絶妙なラインで考証されていて良い。トリロジーのタンブラーのデザインと中からバッドポッドが飛び出てくるシーケンスは個人的に凄く洗練されたアイデアだと思っていたけど、現代のテクノロジーでは発明できないだろうという感覚があって(それはそれで良いのだが)、その点今作のモービルや薬物注射の「2022年にバットマンがいたらこう戦うんじゃないか」感に涎だらだら。エンジン剥き出しで青い炎吹きながらのカーチェイス、ムササビスーツで上手く飛べなくて高架に頭ぶつける、普段着の下にスーツ着込んで移動するとかまじで最高。
人を殺すか殺さないかぐらいしかヴィランと違いがないバットマンのキャラクター性を掘り下げたシナリオも素晴らしかったと思います。
蛇足でしかないキャットウーマンとの絡みが無ければ文句無しの☆5でした。