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THE BATMAN-ザ・バットマンーのれのレビュー・感想・評価

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スピード感は無いけど、だらだらしているわけでもなく、一貫して“ネズミ”への真相を辿る謎解きミステリー構成だった。バットマン自体がもう街の探偵になっちゃってるし。バットマンとヴィランの緊張関係がゴッサムシティの“平和”を保っているの、本当にダークで危うい街だわね。ブルースというよりバットマンとして生きてる時間が長くなっている、という設定?
ずっと暗いことやってる割には終わり方がスッキリしすぎな気も…敵がいて、黒幕がいて、親の仇があって、政治的権力が蔓延ってて、その“マスク”が剥がされて暴かれてスッキリ。と導線が引かれすぎて良くも悪くも引っ掛かりが無さすぎる綺麗さを感じた。

過去作観てたときは憎めないヴィランたちの茶目っ気がバットマン作品の良さだと思ってたのに、今回はもう完全なる黒幕がいて同情すらできない感じがモヤっとする。それも結局“権力”という敵なのがもう本当に残念…作品というか社会はまだそこから出られないんだよな、という諦めの気持ち。どの作品も政府かマスコミが敵になる構図から出られないモヤモヤ。リドラーの復讐劇もよくよく分かるけど、それもある種(雑に言ってしまえば)弱者から強者への下克上。でもなんかリドラーのこと好きになれなかったから、今作はウーーーンとなっている。最後、リドラーとジョーカーが獄中フレンズになるのは何かの伏線?また続編?あの二人が組むとなると結局バットマンを敵視するし、バットマンが存在するからこそ悪が生まれるといういたちごっこからは逃れられないゴッサム…それこそがこの街のテーマでもあるわけだけど。
親の仇・親殺しで手を組むバットマンとキャットウーマンがよかったから彼らの内面をもっと掘り下げてくれてもおもしろくなったのではとか思っちゃう。思えばリドラーも含めて三人とも“孤児”だし、悪人にとっての悪人になることで復讐するのは三人とも共通してたから、3軸になってても面白かったのか(というか3軸になっていたのかな、この映画が…それにしては物足りない)

ロバートパティンソンめちゃかっこよかったし、キャットウーマンの俳優さんも素敵だった!Dolby音質は、ペンギンを追うカーアクション場面が最高に楽しい。
れ