meltdownko

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のmeltdownkoのレビュー・感想・評価

3.5
パキスタンのある社会問題を告発しようとする人間の再現映像と、公表に向かう制作者の葛藤とが二重のサスペンスとして機能することになる上に、告発者が信頼できない語り手であることによって物語のレイヤーを増していく。こうして見ると魅力的なお膳立てではあるものの、映画の終盤になって信頼のできなさの回収されるその様子が何とも弱々しく、肩透かしを食らったような気分になってしまう。
物語に関しては物足りなさはあるものの、衰弱する子どもたちの様子には割とたじろいでしまい、これCGなんだろうか…とか思ってたら実際のパキスタンの子どもたちですとか出てきてもういっかいヒエッとなった。映像の中で告発される企業がいっかい実名で出たあと、これやっぱやばくないですかという感じで仮名に変えられるのだけど、他国の公開状況を鑑みるに実名公開が本当にやばいということが伺えるのであった。
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