汚れたミルク/あるセールスマンの告発の作品情報・感想・評価

汚れたミルク/あるセールスマンの告発2014年製作の映画)

Tigers

上映日:2017年03月04日

製作国:

上映時間:90分

3.6

あらすじ

あるグローバル企業が、パキスタンで粉ミルクを強引に販売したことによって、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。その現状を知ったセールスマンのアヤンは、自らが販売した粉ミルクが子供たちの命を奪っている事に気づき、巨大企業を訴えようとする…。

「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」に投稿された感想・評価

Takeuchi

Takeuchiの感想・評価

4.1
日本でも馴染みのある、キットカットを生み出した世界最大の飲料・食料会社、ネスレの話。企業のイメージを大きく損なう可能性のある作品。実話を元にした内容で、舞台はパキスタン。もともと国内の製薬会社の営業マンだったアヤンは年収アップのために外資企業のネスレに転職。持ち前の才能を活かして、瞬く間にネスレのトップセールスマンに。しかし、ある日恐ろしい現実を突きつけられる。ネスレの乳製品で育った幼児達が、栄養失調のために亡くなる事実を目の当たりにしたのだった。現在も続く論争だが、ポイントは、ネスレが金銭的に余裕のない発展途上国にまで宣伝をするべきだったかどうか。企業側は、「使い方(粉ミルクを極限まで薄めたり、汚染された水道水を使用したり)」までは責任を取れないと反発しているみたいだが、命より利益を追求した罪は重いと思う。大きな企業は大なり小なり、このような倫理観を問われる場面に何度も遭遇しているんだろうなあ。
masa1

masa1の感想・評価

4.0
先週に続いてダニスダノビッチ監督2017年実話の社会派サスペンスのインド映画
「汚れたミルク」
あの「空飛ぶタイヤ」を思い出す内容だけどこっちのスケールと問題の根深さは深刻。

パキスタンのネスレの粉ミルクのセールスマンが、ミルクが不衛生な水で希釈され赤ちゃんが下痢を起こし脱水症で 毎日亡くなる事態になってる事を告発。
しかし告発者は命の危険を感じ家族と離れて国外逃亡の羽目に。

相手があのネスレという大企業なので上映自体も日本だけらしく、未だこの問題は収束していないと言うのが、怖い。
kotoe

kotoeの感想・評価

3.6
実話。家族も人生もかけた挑戦的な告発。アヤンも映画化に踏み切った人たちも。
うやむやな結末はこの映画も今の世界も。
実話の再現物ではあるのですが…。
ゴリゴリの社会派タノヴィッチ監督の作品群の中でも一際異彩を放つ野心作に思えます。

舞台はパキスタン。某多国籍企業に雇用され、粉ミルクを売りまくっていた敏腕のセールスマンが、自らが販売していた粉ミルクの危険性に気付き、その企業を訴えようとします。しかし企業側は手段を選ばず彼の口を封じようと動きます。

基本構造がとても変わってた作品です。現在はカナダに逃れ暮らす元セールスマンの男がスカイプで語る当時の話を、ドイツでドキュメント番組を作ろうとするジャーナリスト達が聴き取る、というスタイルで映画は進みます。
主人公の体験談は、そのまま聴き手のジャーナリスト達の脳内の再現VTRのイメージとも直結していて、そのため細部がソフトフォーカスでボンヤリしていたり、実在の企業が途中から(仮)の企業に置き換えられたりします。主人公が語る事柄以外は我々は知るすべが無く、しかも彼はかつて自社の商品を売り込むためならグレーな手段も厭わないような(しかもそもそも企業に就職出来た経緯が怪しい)、いわば若干汚れたセールスマンでもあったようなのです…。本当に彼の話を鵜呑みにしてよいのか⁇本当に上司はそんなに悪そうな顔なの?
巨大な企業の限りなく黒く見える悪徳に立ち向かう、元身内の灰色の正義を、どのようなバランスで描くべきか(或いはそもそも描かないべきか)悩むジャーナリスト達を、描く映画。…頭がグラッグラしてきます。更に終盤に発覚するある事実によって、これらの公式は全て書き換えられます!上手いなぁ、もう!
物語の多くの部分を占める過去の回想パートが、明らかに普段のタノヴィッチ作品とは違うタッチで描かれているのも興味深いです。ひょっとして“ドイツのジャーナリストの想像する、まるで映画みたいなインドの日常”なのかな?複雑な事やってるなぁ(憶測です)。
普通に観ても面白く、且つ幾らでも深読みが出来る構造の大変な意欲作なのですが、惜しいかな実話が元になっていることもあって、かなりフワッとした結末になってしまっています。それだから良いとも言えなくは無いですが…。
それにしても、サスペンスやエンターテイメント作品以外での“主観の怪しさ”“悪の敵は正義なのか?”というテーマの打ち出しはとても新鮮で、間違いなく一見の価値は有ると思います。特に、日本で暮らす我々にとって今観るべき作品ですね。

…個人的には“主観こそを最も疑うべき”だし“悪の敵が正義では無かったともしても、悪は悪に変わり無い”と思っております。
so

soの感想・評価

2.0
タイトルにひかれて観たが、「こういう事件があったんですよ」という報道番組程度のものとしてしか受け止められなかった。
映画制作陣と映画の内容の二重構造にする意義がよくわからなかった。映画制作陣の会話シーンが挟まれるたびに、せっかくの実話ベースの物語なのに、わざとらしくなる。
vinotinto

vinotintoの感想・評価

3.6
映画メイキング仕立ての仕様が最初はいらないな~と思いつつも、実話ベースであることと、終盤の展開を考慮するととかえってこっちの方が安っぽくなくていいと思いました。既得権益に捕らわれない主人公なような人に、めっぽう弱い。
sickboya

sickboyaの感想・評価

3.9
多国籍企業と政府の癒着により、不衛生な水しかない環境で普及した粉ミルクによる乳幼児死亡事件が描かれている。
そして、これは実話であり未だに解決していない大変な問題である。
この問題をリークした人物は20年近く国に帰ることが出来ていない。

そして、これは多国籍企業に罪があるのは勿論だが、先進国に生まれ、生きている私達全員の責任でもある。

私達の世界を築き上げているものは、私達が普段何気なく行なっている買い物であり、それは選挙よりもより直接的に現実世界に反映するものである。
こうした搾取や劣悪な労働を強いている企業の物を買わないという消費者行動は必然であり、私達先進国に住んでいる人間の責任である。
それは私達先進国は彼らの労働力に頼り、私達の世界を成り立たせているからである。
そこからお金を使うということには、実は社会的な責任が付きまとっているということを考えなければならない。

このような多国籍企業による発展途上国の人々への搾取を防ぐことを望むのであれば、私達の生き方を変えるのが近道かもしれない。
そんな風に考えてしまう映画だった。
けいこ

けいこの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

目を覆いたくなるような乳児たちの姿になんとも言えない気持ちになった。「不衛生な環境で作られるミルク」に危険性を感じていない状況にあるスラムの生活も切ない。映画としては、割とアッサリ時間が経過していて飽きないけれど、もう少し細かい情報がほしかった。
たとえ、映画のストーリーが事実を誇張しているとしても、事実は事実として受けとめることこそ、消費者として企業を啓発していく側になるための一歩だと痛感しました。
shimazo

shimazoの感想・評価

4.0
ハッピーエンドでは無いところにこそ、この映画の意義を感じます
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