Itotty

わたしたちのItottyのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.2
これでもかというほどに、主人公の小学生ハンの目線で映し出される、少女の生きる世界。
ジアと全力で遊び笑う姿に、一緒に微笑んだし、ジアやみんなにいじわるされた時の悲しむ顔に、心が締め付けられた。

見えている世界はとても狭くて、出会う人たちもほんのひと握り。だけれども、その小さな世界の中で、こんなにも心が動き、喜び、悲しむのだ。
彼女たちが見て、感じて、考える世界は、大人である私のそれと何ら変わりないのだ。


彼女の目線の高さでキープされたカメラは、その真実をこれでもかと私に突きつけた。
振り返れば私自身も、時に誰かを傷つけたことだろう。数えるほどなのか、数え切れないほどなのか、今ではわからない。だけれども、あの時生きていた世界は決して幼稚なものではなかった。恥ずかしさや恐怖と闘えていたわけではないかもしれないけれど、子どもの頃の自分が大人になった自分を見た時、がっかりさせはしないだろうか。
そんなことを思わせるくらいインパクトのある物語だった。


最後に、弟が教えてくれたありのままの答えと、投げかけた視線。

全ての大人たちに見てほしい。
もう一度見たいと思えるかはわからないけど、いつかもう一度未来の自分には見てほしい。
Itotty

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