北と南...分断がもたらす大いなる悲劇!
鬼才キム・ギドク監督が、今度は剛球ストレートでトラウマを投げて来た!
北朝鮮の漁師ナム・チョルのボートのモーターが魚網に絡まり故障、韓国領に流されてしまう。
韓国の警察に拘束されたチョルは、身に覚えのないスパイ容疑で、情け容赦ない取り調べと拷問を受ける。
ひたすら妻子の元に帰りたい一心の彼に、執拗に持ちかけられる韓国への亡命。しかも、ようやく北に戻された彼を待ち受けていたのは、より苛酷な運命だった。
分裂した朝鮮半島によって、尊厳を踏みにじられた 「スパイでも英雄でもない」一人の名もない漁師の小さな悲運と大いなる悲劇。
韓国に亡命して国の金で裕福な暮らしをするか、家族の待つ貧乏な北に帰るか…そんなの答えは決まってる。
故郷に帰って家族に逢いたい気持ちが洗脳なら、私めも完全に洗脳されている!
主人公のチョルも、同じ気持ちだと ずっと思って観ていたが・・・
彼が最後に取った信じられない行動は、押さえきれない怒り 失ったプライドを取り戻すための行動に見えてしまう。
それは全て彼の気持ち...決して家族のためじゃない!
それでも、私めは家族の生活を守るための行動と信じたい・・・