THE NET 網に囚われた男の作品情報・感想・評価

THE NET 網に囚われた男2016年製作の映画)

그물/The Net

上映日:2017年01月07日

製作国:

上映時間:112分

3.9

あらすじ

北朝鮮の漁師ナム・チョルは、いつものように自分の舟で漁にでるが、網がエンジンに絡まり韓国側に流されてしまう。一日も早く妻子の元に戻ることだけが望みの彼は、韓国警察からの過酷な拷問と亡命の強要に耐えるのだったが・・・。

「THE NET 網に囚われた男」に投稿された感想・評価

AkihiroIio

AkihiroIioの感想・評価

3.5
事故で国境を超えてしまった北朝鮮の漁師の悲劇。何を言ってもスパイの疑いを晴らすことができないのは、北に帰っても同じ。お互い現実にそれだけスパイが潜り込んでいるということか。
南北それぞれの取調官が絵に描いたように嫌な奴。日本だったら木下ほうかさんや手塚まことさんかなと妄想キャスティングしながら観てた。
さや

さやの感想・評価

4.0
これが本当に行われていることなのか私には解らないけれど
こういう映画を見て、世の中で起きてることに疑問をもって調べたりするって良いことだと思う
だから、よく言うけど、学校で教科書だけじゃなくて映画を見せた方がいい

見いってしまった

見終わって気付く
メビウスの監督か!
まったく…いったい…
どうすれば正解だったというのだろう!

自分にとっての『普通』な当たり前の生活を守ろうとしているだけなのに
どうしてこんなに翻弄されるのか

何が正しくて何が間違っているかなんて
どこにも『正解』は無い
人の幸せや不幸もまた
他人が外から推し量る事は出来ない

皆んな分かっている筈なのに
どうしてこんな結果になってしまうのだろう

分からないから考え続けよう
考える事を放棄してはいけない
考え続ける事に意味が有るのだと
肝に銘じる

唯一
南の警護官 ジヌ君の笑顔だけが救いだった

* 2/6 DVD鑑賞
JackButler

JackButlerの感想・評価

3.6
あるひとりの漁師の出来事を通して南北朝鮮の緊張感をシニカルに伝えているが、ギドクにしては毒弱め。

それにしてもエンジンが故障した時の為に、オールのひとつくらいは積んでおくべきだったのではないか。
網。

理不尽。過酷。部隊。スパイ?。
ジヌ同士。

5月のつつじ7本。3本はツバメに。
2本は鹿に。残り2本はナマズ。

何よりも第一に家族。
 パッケージでてっきり漂流モノか何かだと思っていたが、全然違う、かなり重たいドラマだった。
 主人公ナム・チョルは北朝鮮で慎ましく漁を営み、妻一人、娘一人を養う一漁民。ある日エンジンの故障と潮の流れによって39度線を越えてしまい韓国(北朝鮮からは南朝鮮と言う呼ばれ方もしているのだと初めて知ったが)に漂着してしまう。
 南北の緊張関係を当然知ってはいたナム・チョルであったが、故意で無い事から、事情を説明すればすぐに北朝鮮に返してもらえるだろうと思っていた。北に戻れた時に、余計な事を聞かれず、言わずに済む様、何も見聞きしないよう堅く眼を閉じ、事情聴取に応じようとするが、南北の間の線、溝は彼が思うより遥かに深く強く刻まれており、その分断は彼の心にも襲い掛かる。

 南北問題の根深さやその在り方を、隣国でもあり影響を受けているとは言え、日本では、知らないこと、理解できていなかったこと、沢山あるのだなぁと改めて思わせられた。

 漂流を経て流れ着いた彼を待ち受けていたのは、救助ではなく保護と言う名の実質逮捕であった。韓国内にある北朝鮮への諜報、および北朝鮮からの防諜を取り締まる当局に身柄を拘束されたのは「北のスパイ」であると言う嫌疑があるから。
 しかし彼を待っているのは「北のスパイに違いない」と言う予断から来る拷問まがいの尋問であり、それがエスカレートしていった帰結である「今はスパイでは無くても、いつか韓国に害をなす存在になるに決まっている」と言う偏見からの暴力だ。そして、スパイである証拠が掴めないのであれば、祖国と家族を捨て亡命を知ろと言う脅迫まがいの圧力。

 彼は何度も訴える。事故であった。祖国への想いはあるが、諜報活動など自分はしない。ただただ、心配しているであろう家族の待つ家へ帰りたいだけなのだと。

 暴力的な取り締まりを続ける捜査官はひたすら嫌な奴に映るが、その妄執的な正義感ももとは素朴なナショナリズムだったのだろうし、それを「北の人間なんかみんな殺しちまえばいい」とまで言わせた構造こそが真の南北問題なんだろう。北朝鮮の漂流民ナム・チョルも、スパイと決めてかかり暴力を厭わない捜査官も、それを諫めナム・チョルを人間的に扱うべきだと言う良心に基づいて提言をする若手捜査官も、皆一人の人間である。各々の事情があり、各々が真っ当だと思える生き方をしたいだけなのに、強く刻まれた線は、彼らを友と敵とへ無慈悲に分断していく。
 
 辛い取り調べ。同じルーツを持つ人同士が猜疑心に苛まれ傷つけあう国家と言う枠組みの中で個々人がすり潰されていく。そんな境遇をすら、ただひたすら祖国の家族を想い耐え抜いたナム・チョルを待っていたのは、送還、そして、今度は祖国から向けられる韓国で受けたのと同じ仕打ちだった。なぜ、船を捨て泳いででも戻ってこなかったのか。向こうで何を見聞きしたのか。従軍時代の事をどこまで喋ったのか。

 精神的苦痛と尋問を兼ねる、自らの来歴や該当期間に何があったか事細かにひたすら書かせると言うその手法が南北で同じものであると言う所に皮肉さがよく表れている。そして、その皮肉さがおそらく、一人の個人の尊厳を共に蔑ろにする南北の溝が及ぼすナム・チョルの心の崩壊の最後の引き金になったのだろう。

 大岡越前の裁きに、母親二人が一人の子を「我が子」だと主張しあう逸話があり、真の母親こそが子供の痛みを想い手を離すとあるが、これも似たような構図に思えた。共に「スパイ」であると嫌疑をかけ、一人の男の心を南北真っ二つに引き裂いてしまう。

 話をして、心を通わせた、ナム・チョルと若い捜査官が交わした約束。「統一後にまた会おう」がとても印象的だった。
MTAK815

MTAK815の感想・評価

3.7
面白かったけど、北も南も登場する人物がホントにクズてイライラMAXでした
おもしれ〜! キムギドクの映画にもジム同志みたいな希望があるんだな〜〜!
aya

ayaの感想・評価

-
韓国側の悪い刑事が朝鮮の歌?を歌ったところで、私は今まで韓国をなんか勝手にアジアを代表して音楽の祭典とかやってるきらきらした国とライトに見すぎていたのかもしれないと思った。確かに字幕では韓国を南朝鮮と記している。北朝鮮のことなんか殊更知らんし、自分の知りようのないところでリアルかそうでないかが揺れてて悶々とした。何がリアルで何が演出なのか自分の知識では見分けがつかんし。それがキム・ギドクの技なのかな。
ただ主人公の男がソウル市街を彷徨ってた場面の夜のビルの光の感じとかは、韓国の演出されたきらきらじゃなくて、なんか自分の知ってるよくある夜のビル群ぽくて、そこでああ〜これ!とドンピシャときたというか、いつのまにか主人公に感情移入してて、主人公は終始不安だったと思うけど、私は私の知ってる(ような)景色が出現してホッとしたんです。見どころまったくズレてると思うけど観れてよかった。
USK

USKの感想・評価

3.3
不運にも一度国境線を越えてしまうと、南と北の双方から疑いの眼で見られてしまうという悲惨な現実。どちらに転んでも幸せな結末は有り得ないというジレンマはとても残酷でした。民主主義こそ唯一の正解だと思い込み、それを強要する怖さを垣間見た。
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