人種差別に対するド級のアイロニーだと思った。批判とか抵抗ではなくて、皮肉。
一応ホラーなんだけど、幽霊もクリーチャーも登場させず「居心地の悪さ」でこの圧迫感と薄気味悪さを感じさせるのには舌を巻く。
その「居心地の悪さ」も、グロテスクな風景とか生理的に攻撃してくる描写ではなくて、他人種だらけのパーティで何となく感じてしまう珍しいものを見るような目線がモチーフなのも秀逸。
ジョーダン・ピール監督が元コメディアンということもあって、コミカルな瞬間もある。それでいて、笑いどころが「これ笑っていいの?」となるような不謹慎スレスレの絶妙なところが良い。