ジョーダン・ピール監督作
散りばめられた人種差別問題と皮肉。新感覚のホラー作品
ジョーダンピール監督の作品としてアカデミー脚本賞も取っている今作。
ずっと見たいと思っておりましたがかなり面白かったですね。
日本人の自分からして黒人と白人の人種差別問題は身近ではありませんが今作はかなりエッジの効いた作品だったと思います。
白人からして黒人の「能力」は認められるべき所ですがその能力を支配するのは白人であると言う傲慢、そして異常さがこの作品には描かれています。
白人の恋人ローズと付き合っているクリスが招かれたローズの実家での出来事が話の肝ですが最初から考えると中々伏線も多く、そして画面は結構明るいのに不穏な空気がずっと流れているのが良かったですね。
黒人の使用人を雇っている家族ですがその黒人たちがどこかおかしい。
終盤でそのおかしさの原因が分かりますがまぁ恐ろしい。
個人的に一番怖かったのは車のキーを出すローズの所ですね。
緩急すげぇ。
現代的かつ人間怖い系の作品ですが根幹であるレイシズムへのアプローチや結末の描き方など監督のかなりの力量と伝えたい事を感じます。
家で見ても十分楽しめる名作でした。
どんどん新しい作品を生み出して欲しいですね。