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ゲット・アウトのペジオのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.8
「ブラック」ジョーク

比喩表現をそのまま具体化してしまった映画群というか…結局当事者でなければ解らない「感覚」を共有させる意図もあろうが、単純にそのトンデモ具合が面白かったりもする
(冷戦下の疑心暗鬼→「ボディ・スナッチャー」や、出産前の母親の不安→「ローズマリーの赤ちゃん」が代表例か)
本作においては、「恋人の実家の居心地の悪さ」と「人種差別の本質的な部分」
後者に関しては多分に想像するしかないが、この映画の「感覚」が普段黒人が「肌」で感じているそれだとすれば、そりゃ身内で「兄弟」ってなるくらい結束強くなるよな~
「私は差別なんて愚かな行為はしない」っていうのがもう既に差別なのだから、逃げ場が無いよ
「客観的目線」で自らの置かれた環境を描くのは、自分たちの事をあえて「ニガー」と呼び合う様な黒人特有の「感覚」か、それとも監督のコメディアンとしての「感覚」か

フィクションとしてこの特異な家族の関係性も説明が少ない分、想像したくなる余地を残していて興味深い
(嫁姑関係とかね…おっと。)

ホラーで死にがちな黒人が、クライマックスで○○を○○するのを見てると、この家族の着眼点もあながち間違いじゃなかったのねと思った
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