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ゲット・アウトのSIのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
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2018.8.26
自宅TVにて鑑賞

ジョーダンピール。
コメディアンの彼にとっては、社会風刺を織り交ぜたシニカルな表現として映画とコメディに大きな差は無いのかもしれない。

映画として観た時、構図はいくつか印象に残る好きなものがあったが(ファーストカットの長回しのラストの夜の街頭、椅子に拘束される主人公をナメて鹿の剥製とテレビを映すカットなど)、正直特に冒頭のテンポが悪くカットのつなぎも少し稚拙に感じる。

脚本は超一級で、アカデミーを獲ったのも驚きではない。
欧米に住んだ経験が無いために、「相手の人種の特徴をフックに相手を褒める」その姿勢も差別に繋がるという描写に正直いちいちハッとしてしまう、勉強になる映画だった。
人種差別をテーマとして映画の中で貫徹しており、その上でドラマではなくホラー映画として成立させているというのが今作の素晴らしさだろう。
上記の姿勢を突き詰めた先にある種馬鹿げたラストシーンがあるのも面白い。

恐らく社会への視線は常に鋭いものを持っているはずだ。
この監督が映画や映像そのものにも興味を向けてくれたら、本当に素晴らしい監督になると思う。
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