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ゲット・アウトのその他のレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
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googleで'ゲットアウト 賞'と'get out awards'で検索してそれぞれ出てくる記事の傾向をみるとかなり明確な違いがわかるのですが、前者ではこの映画がアカデミーで脚本賞を受賞したことを大々的に宣伝する一方で後者では反対に「なぜアカデミーは作品賞を『ゲット・アウト』に与えなかったか」をさんざん議論してるんですよね。
日本における今作の評価の視点と英語圏における評価の視点は対照的で、作中に田中さんなる日本人(「アジア人」でもおそらく「日系」でもなくはっきりとした「日本人」)が出てきてしまったことも含めて考えるに『ゲット・アウト』が日本に残した議論の余地というのはかなり大きかったと思うのですが、「『ゲット・アウト』がアカデミー脚本賞をサプライズ受賞!」なんて記事が堂々と公開されているうちはまあ、そもそも論点を見つけることすら難しいですよね。

この映画を「コメディ」にカテゴライズしたゴールデングローブ賞や、アカデミー脚本賞を有難がって宣伝することしかできない日本のメディアのように、この映画に対してどういったアティチュードをとるのかをある種醜悪なまでに浮き彫りにしてしまうリトマス試験紙的な働きをした点でもかなりエポックメイキングな良い映画だったと思います。

単純にサイコホラーやサスペンスとしても言葉遊びや伏線の張り方の細やかさ、丁寧さ、音響や視覚的な巧妙さ、洗練さ、映画オタクの遊び心、諸々整った情報量の多さ、無駄がなくて本当に面白かった。映画って面白いなあ。
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