対等な存在として接しているように見えて、相手を1個の人格ではなく能力の器としてしか見ていない怖さ。タイガーウッズとかオバマを引き合いに出して自分は黒人を尊敬してますよとアピールする奇妙な感じが中盤以降の展開に繋がっていく。これはアメリカに住む黒人の方達が日常的に感じてる違和感なんだろうな。
ある人物がネットで次のターゲットの品定めをしている描写は、まるでカタログを見て商品を選んでるような感覚でおぞましい。流石にかなり戯画化はされてるとは思うけど、こういう形の差別は確かにあり得るし、「自分は相手の良さをちゃんと分かっているんだ」と当人は思ってそうなところがタチが悪い。
結構えげつない話ではあるんだけど、やたら面白い主人公の友人のお陰で楽しく観れる。ラストはもしあれが別の警官だったら違う結末だったんだろうと思うと怖い。白人に跨がる黒人に迫るパトカーという画だけで、言い逃れのできない悪い結末が想像できてしまうのが悲しい。
