湯っ子

デヴィッド・リンチ:アートライフの湯っ子のレビュー・感想・評価

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デヴィッド・リンチの語る「アートライフ」とは…「煙草を吸い、酒を飲み、絵を描く。創造が最上の喜びである人生」。
映画監督になるまでの人生をリンチ本人が語ったドキュメンタリー。
この作品につけられたタイトルが「アートライフ」なのは、「映画監督デヴィッド・リンチ」になる前よりも、何者でもなく純粋に自分の作りたいものを作って生きていた頃の人生こそが「アートライフ」だということを示しているんじゃないかと思った。
現在の彼は、映画制作のペースを落としているみたいだし、アトリエでせっせと作品制作に取り組む現在の様子は、これが本来の「アートライフ」だと感じているような気がする。 
びっくりするくらい、でも納得、な真っ当で幸福な生い立ち。猟奇、幻想、怪奇と表現される作風だけれども、特定の誰かを貶めている印象がないのは、そのルーツからなのだと思った。
もちろん彼の才能があってのことだけど、アートに対しての真剣さ、ひたむきさには、周囲の人間は自然と手を貸したくなってしまうらしい。カルトと言われる作品の中にも、ユーモアやリベラルさが垣間見える。そんなところに愛される人間性がうかがえる気がした。

KKMXさん、ご紹介ありがとうございます。
病的な世界観を持つ才能と健康的な精神を併せ持っていたからこそ、リンチは独特な作風ながら、一般的なヒット作を次々生み出したのですね〜。
湯っ子

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