Yoko

デヴィッド・リンチ:アートライフのYokoのレビュー・感想・評価

4.0
幼少期に家族と町を転々としてるリンチだが、どの町も基本的にのどかで、「明るい」町であったことに驚く。まさに『ブルーベルベット』のOPに登場するようなあの町並み。意外にも「凡」な幼少期という印象なのだが、そのころから町に潜む「奇妙」と遭遇するエピソードを聞くとゾッとさせられ、またこの話を演出する絵の描き方が不気味なのがリンチらしい。
『イレイザーヘッド』にフィラデルフィアの荒廃が影響されていたことも頭に入っていたのだが、いざほぼ廃墟のレンガ造りの建物と現地の人のエピソードを聞くと大阪の西成も顔負けだろう。

描き方がホライックであわよくばグロテスクに近いとこまで来ているせいか、リンチの性格もどこか猟奇的な一面があるのではないかと誤解されがちだが、その描き方は自分を見出す術としてのアートにひたむきであった姿勢の結果だったに過ぎなかった。
そして助成金って大事だ!
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