重々しい青春映画かと思ったら、意外に軽快。
黒い「スーパーバッド 童貞ウォーズ」みたいな。
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ロサンゼルス。15歳の少年ブランドンはクールなスニーカーを手に入れるため、必死に貯めたバイト代を握りしめ念願叶って「エアジョーダン１」を手に入れる。しかし、レアものが故に目立ってしまい、地元のチンピラ達に目をつけられてしまう。中でも凶悪なチンピラ・フラコにスニーカーを強奪されてしまったブランドン。なけなしの勇気を引き出して、親友二人と共にスニーカーを取り返そうと奔走するのだが……。
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エアマックス狩りが95年かー。
思えば遠くへ来たもんだ。
ジャスティン・ティッピング監督長編デビュー作。
監督自身が16歳の時にスニーカー狩りに遭った経験がモチーフなんだとか。
起きてることは一本調子だけど、紆余曲折アップダウンの激しい青春映画。
軽快なノリの向こう側にある、過酷な社会背景が透けて見える作り。ファンタジーとリアリティを行き来する少年の心に寄り添わず、ドライに突き放して描く筆致が面白かった。
かっこいいスニーカーを熱望する少年の一方、年頃らしい嵐のような性欲に翻弄されてみたり、黒い暴力衝動に突き動かされちゃったり……一人の少年の脱皮を通じて人間の多面性を見せられた気分。フラコにしたって、根っからのド悪党ってわけじゃないし。
ブランドン演じた新星ジャキング・ギロリーが、若い頃のファレル・ウィリアムスそっくり。端正な顔立ちで、マチズモの対極にいるような文化系美少年。今後が楽しみ。
親友の一人アルバートを演じたクリストファー・ジョーダン・ウォレス。調べたらノートリアスB.I.G.とフェイス・エヴァンスの息子さんだった！ 全体的な丸々しいフォルムだったり、顔のパーツ全部◯で描けそうなアンパンマン顔まで、言われてみれば父親ソックリ！ ミュージシャンとしてもデビュー予定だそうだけど、果たしてどうか？
若手キャストが多い中、マハーシャラ・アリが怖えのなんの😱
座ってるだけで怖い。圧倒的威圧感。「ムーンライト」と役どころは一緒なのに、正反対なキャラクター。全身の毛穴から暴力の臭気がにじみ出てるよう。間違っても目を合わせたくない・合わせらないオーラが凄い。
ベテランの妙技なのか、若手との格の違いを見せつけるようだった。
要素詰め込みすぎて上手くいってないようなトコもあるし、フラコに関してはサニーサイドを見せられたところで「や、そもそもお前のせいやんけ」と思ってあんまり同情できず。
主人公が無条件で許されたり、ツメが緩い部分が多くて隆起の大きい話の割にイマイチ乗り切れない。
HIPHOP名曲からの歌詞引用も印象的ではあるけど、効果的かといえば「う〜ん🤔」
不満はあれど、おっかないマハーシャラ・アリだけで★3つ
99本目
