ちょこぼ

13th 憲法修正第13条のちょこぼのネタバレレビュー・内容・結末

13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

黒人差別を題材とする映画はあるが、そもそも差別の歴史を深く理解していなかったと感じた。

南北戦争終結後、憲法修正13条により奴隷であった黒人は自由を得た。
だが、南部で労働力として利用していた黒人が解放され、経済破綻が起きたことをきっかけに、憲法に規定されている「例外として、犯罪者は適用外」という抜け穴を利用した。
夜に徘徊しているだけで逮捕されたり、無実の罪を着せられたり、挙げ句の果てには白人を襲うというような凶暴性をメディアで取り上げられるようになり、黒人の大量投獄が始まる。
収容された黒人の囚人は、刑務所内で無給労働や、民間への労働力としての貸出が行なわれるようになり、その延長線上で民間の刑務所がビジネス目的で設立されていく。
何よりALECと呼ばれる政府、企業で構成された団体における、民間企業が法案を提出できるというシステムが不当逮捕や黒人差別を助長させた。
大量投獄に伴い、警察官の動員数も大幅に増え、黒人の無差別殺人とも言える罪のない者への殺人が増えたと考えている。
アメリカだけに言えることではないが、権力を行使できる警察官に、どれだけ正義感があっても頭の悪い人間を採用するのはやめた方がいい。
黒人は、公民権運動によって得た投票権すらも不当逮捕歴があれば無効にされ、闘う余地すらない状況なんだと感じた。
もちろん黒人だけでなく、白人の中でも違和感を訴え行動する人物もいたが、「誰かが改革に向け努力すると、むしろより一層の抑圧を招くことになる」と語っていたのが印象的。