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オリーブの樹は呼んでいるのととのレビュー・感想・評価

オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)
3.9
祖父の大切にしている樹齢2000年のオリーブの樹を父親が農場経営難から勝手に売ってしまい、それを機に祖父が殻に閉じこもってしまう。

私自身も似たような経験があり、父親が経営難から祖父の林檎農園と馬を勝手に売ってしまったことがあった。
継ぐために私は農業高校に入ったのに、事実を知ったときのショックったら半端ない。

そのへんの悔しさは共感。

娘は口が悪く、感情的で周りを振り回し、一見悪い印象を与えるが、周りの彼女に対する接し方や、祖父想いな様子から愛すべきキャラであることに気づく。

祖父と娘との回想シーンが凄く好き。

娘視点でストーリーが進むため、父親が憎くて苛立ったが、家族を守るためだった想いに触れ、お互いを理解する能力は常に備えておくべきだと感じた。

ほとんどの人間は、価値の基準を物差しで測って決めている。
値段=物の価値+背景をしっかり見極めていきたい。
たかが1本の樹だが、そこには計り知れない価値があったことを祖父はちゃんとわかっていた。
父子のコミュニケーションがもっとしっかりしていたら…と考えると胸が締め付けられる想いだ。

失敗や後悔は成長の為にある。

ガーディアンズオブギャラクシーのロケットのように、小さな命(ベビーグルート)を大切に育てていってほしい。
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