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道士下山のesewのレビュー・感想・評価

道士下山(2015年製作の映画)
3.5
さすがのチェン・カイコー作品でスコアもセットもロケもいい。ただアクションだけは慣性なしのワイヤーアクション多様でちょっと微妙。

ようわからんけど、中国の考え方(人間が目指すべき理想の姿)の中には神や仏以外に仙人というのが独立してあってそれを理解しないと中国人の世界観や道徳観はわからんのだなというのを感じる。

仙人というのは自然の摂理を理解した人間みたいので、人間の欲望から解脱した仏や全能の神(天・運命)ともまた違う。仙人は自然現象を操る中国風の魔法使いや妖精みたいなもので常に優雅さみたいなモノをまとっているのが日本人にはない感性だなぁと。極めるけど削ぎ落さない。究極までシンプルにしていく日本人の感性とは明らかに違う。豊かさとか豊潤さが価値の根底にある。

意外と深い話というかストーリーも一貫してるわけではないので、薄っぺらさはないけどとらえにくい。ただ映画の各ディティールは質が高く美しいので一見の価値はある面白い作品。
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