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ロニートとエスティ 彼女たちの選択のTikkaのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

敬虔なキリスト教のコミュニティで育った女性たちが自分の性的指向を隠しながら生きるストーリー。皮肉なのは、最後にエスティがキリスト教コミュニティに戻るところ。そして彼女たちは結局結ばれずに終わるところ。

結局は妥協しなければいけない、というような結末は、ハッピーエンドを望んでいた視聴者に現実を突きつける。彼女のその後の人生を想像させ、どのような苦痛や葛藤が今後待ち構えているんだろうと想起させる。

そして、3人が親友であると言うことも、物語に人間味をもたらしている。宗教というコミュニティ特有の論理、そして周囲からの圧力と名誉を超えて、友情を優先しようとする旦那の揺らぎ。彼は、エスティを殴らず、彼女の本当の思いを知ろうとした、そして集会でも「選択の自由」を叫んだ。

恋という引力の強さ、宗教という縛りの強さ。その二つの力の絶妙な綱引き。

P.S.
エスティが、ロニートに「この数十年、NYの時差を考えてあなたが何をしているか想像していた。あなたのことをずっと考えていた」と言った。非常に親近感が湧く表現だった。それに対するロニートの顔の表情も絶妙で、きっとNYの忙しい暮らしを送っていたからエスティよりは彼女のことを考えていなかったんじゃないかな。
日々囲まれる情報、そしてコミュニティの閉鎖性を表しているシーンだった。

そして、英語タイトルだと「Disobedience」なのね。不服従。良い、私らは私らの選択をするのよって。
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