摂食障害を抱えるカティアと妹のステラ。自分では抑えることのできない食への嫌悪感が日に日に増していき、フィギュアスケートの大会に出場するどころか日常生活さえままならなくなっていく姿が極力ドラマティックな演出を使わないことで切実に伝わってくる。
過干渉な母親と無関心な父親……機能不全家族では子どもの問題に対処できないという自然な問題提起と、姉妹の繊細な心の動きを丁寧に映しているところが好印象。
特にステラの、欲望に忠実な痛々しさとそれを俯瞰できるようになっていく成長具合を一本の映画の中で描いているのが巧い。
姉妹の物語というよりも、全体的にはステラから見たカティアの苦悩がフォーカスされているので、ステラ自身のアイデンティティをもっと明確にすればより高いクオリティの作品になったと思う。
