アガサ

不能犯のアガサのレビュー・感想・評価

不能犯(2018年製作の映画)
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人を呪わば穴ニつというか因果応報というか言霊パワーというか。
呪怨のこもった言葉は口から吐いた瞬間力を持ち、それは時として、我が身をも滅ぼしかねない凶器になるんだよ。という教訓というか。

音楽がまんまオーメンだなぁと思って観ていたんですけど、見ようによっちゃあウソブキ氏というキャラクターもダミアン的なものなのかな、という気がしてきました。
彼自身が手を下すのではなく、彼の中に闇を見出し、その闇に取りつかれたものが自主的に凶行に走る。
連続する殺人を止める為には彼の命を奪うしかない。
果たして正義の為に、直接的には罪を犯していない彼の命を奪うことができるのか。その行為は許されるのか。
悪魔の子ウソブキ氏の今後の活躍にご期待ください!

自分の眼を通して人間の闇を見すぎてしまったウソブキ氏が希死念慮を抱いているところ。
土気色しているウソブキ氏が、エリカ様と会話している時だけ生気を取り戻してゆくなどの細かい演出。(つまり、悪意を持つ人には悪魔か死神のように見えていても、エリカ様にはそうは見えていないということ)
人は救いようがないと思っているウソブキ氏と、人にはまともな部分が残っていると信じ続けるエリカ様とという、信念的には正反対な二人が波長的にはぴったんこというところなどとてもおもしろかった。
とはいえ、ウソブキ氏のマインドコントロールのくだりは若干「またか」感が否めなかったです。あと、イケメンが渋滞気味。
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