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破裏拳ポリマーのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

破裏拳ポリマー(2017年製作の映画)
4.0
冒頭、アウトローな闇バトルが行われている場所を説明する〈南米某国・スラム街〉という知能指数の著しい低さにグッと来るテロップと、その後の大仰なクレジット・タイトルがこの映画のスタンスを早速象徴していて物凄く親切だと思うのです。

僕はこの作品の意図的に割り切った大雑把な抽象性に自分のチューニングがすんなり合致した実感があって、特撮ヒーローの物語としての類型的なプロットを辿るに当たって決して上手くはない話運びが展開されていくんだけど、それはそういうモノとしてそれなりに楽しめたという感じ。

しかしながら、この監督は殺陣のバリエーションも見事なんだけど、何よりもアクションシーンにおける見栄の切り方がフツーに上手いと思う。

要所要所の口上と溜め、アングル、ズームの動きが心地良くまとまっていて、ポリマースーツの非現実的なポリマースーツ感がそうした演出によってむしろ虚構としての躍動性を獲得していてなおさら胸が熱くなりました。

僕は原作を主題歌しか知らないのだけれど、それでも満を持してその主題歌が流れるシーンの揺るぎないクライマックス感には、流石にこの私も必殺の失禁破裏拳を繰り出さざるを得ませんでしたね。(キリッ)
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