カトマン

カーズ/クロスロードのカトマンのレビュー・感想・評価

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
3.5
大団円とは言わないが、ほろ苦くも大胆な落とし所をどう捉えるかで、この作品への好みが分かれそう。個人的には大人な味付けは好意が持てるが、もう少しだけ話を整理してマックィーンの息詰まるレースシーンを観たかった。前半に展開されるレースシーンは振りなので、後半にストームとの競り合いをもっと持ってきていても良かったと思う。今作の最大の失敗は、中盤のトレーニングシーンが無駄に盛り込みすぎで話自体が進んでいない為、ものすごく間延びしてしまい、作品全体のテンポを悪くしている。よって後半に繋がるカタルシスを含んだシーンでもイマイチ上手く機能していない為、観ていて気持ちが乗ってこない。ここをキッチリと整理しタイトに描けば、傑作になり得たと思う。最先端とローテクのトレーニングの比較なら幾らでも面白い要素があるんだから勿体無い。
あと従来、ネガテイブな要素でしかなかった日本語版テーマ曲で、遂に奥田民生がその概念を打ち破ってくれている。単純に曲がいいんだけど、映画にそった曲の良さで非の打ち所がない。後半にかけての盛り上がりとか、途中のシャウトとかとにかくかっこいい。車でヘビロテ中。
作品の内容が現在のピクサー、ジョンラセターとメタ的な構造になっているように感じるので、今後のピクサー、ジョンラセターの進むべき道の指針を作りたかったのかなと、後付けながら思ったりする。
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