バトンタッチ
今作のカーズ、大人向けです。まだ若者の私にもわからないくらいの40,50代向けの大人映画です。
「ロッキーザファイナル」と「ローガン」を思いだした。
どちらも共通するのは老いへの恐怖。
長年チャンピオンとして君臨してきたマックィーンの前に、新たな若い車が現れ1位を獲得する。限界を感じたマックィーンのライバル達は次々と引退を表明し、マックィーンは躍起になってしまい、クラッシュしてしまう…
自分達の時代は終わったと痛感させられるマックィーンの悲しさ。いつか自分も老いてしまう頃に感じてしまうのだろうか。マックィーンの周りが光に満ちていた雰囲気から一転して閉鎖的でどこか悲しげな雰囲気になるのが恐ろしい。
それでも諦めようとしないマックィーンが手にするのは、「先人の教え」と「決心」
最新のテクノロジーとは対照的にアナログなやり方で訓練をするマックィーン。(浜辺のシーンはロッキー3のオマージュ?)
何事も先人から学べというのだ。映画も先人の築き上げたものがあって今の映画の面白さがある。
この映画も「ロッキー」という再生を描くスタローンが築いた物語を学んで出来ているということは考えられよう。
そして決心。人間、諦めが肝心だ。人生において諦めなければならない時がいつしか来る。
自分というものに固執せず、潔く今を担う若者に託す瞬間が来る。時の流れには逆らえない。
非常に勇気のいることだが、そのことの大切さを教えてくれる。
こんな展開、子どもには分かるだろうか?と思ってしまう。
難点を挙げると、クルマだから表現が難しいのか、カーズ1と姿が変わってないから、歳をとってるのかが分かりにくい。
あと、マックィーンが再生していく描写が少々物足りなく感じた。
子どもも楽しめますが、老いを感じた大人に向けた辛いけども大切なことを教えてくれる映画です。