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カーズ/クロスロードのHFのネタバレレビュー・内容・結末

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

前作『カーズ2』(2011年)以来の6年ぶりの続編。
邦題である『カーズ/クロスロード』と日本語版エンドソングは気に食わないが、これは日本のディズニーもしくは広告代理店の仕業なので、ピクサースタッフに罪はない。そこは評価には入れません。

【総評】
さて今作『カーズ3』は、『1』以来のライトニング・マックィーンが主人公。
予告ではマックィーンがレース中クラッシュされ、宙に舞うスローシーンが印象的だったので期待値が高かった。
前作の『2』ではマックィーンの親友メーターが主人公となった物語だった。マックィーンが好きな自分としては、主人公がメーターでマックィーンが主人公ではないのは素直に楽しめなかったが、『3』では主人公に返り咲き(?)とても楽しめた。

だが楽しめたのは前半から中盤まで。
終盤のレースでは、まさかのレーサー交代。マックィーンとここまで一緒に頑張って来たトレーナー、クルーズにレースを託すという展開に。"予想外の展開"という意味では良かったかもしれないが、自分はこれには納得がいかなかったのが正直な気持ちである。
どうせクルーズに後を託すのであれば、
マックィーンがレース途中まで今までの特訓の成果を発揮し、なんとかライバルのストームに辛勝し1位を取る。しかしストームのタックルなどの策略でレースを続けられないボロボロ状態となる。そこで共に走ってきたクルーズに後を託し、クルーズもマックィーンの教えを思い出してストームに勝つ。
という展開だったらまだ良かったのかなぁと思う。ドッグ・ハドソンの遺志を継ぐ、次世代にバトンを託す、というキャラの気持ち、演出は悪くなかったが、マックィーンが中途半端なまま交代するのは、モヤモヤが残った…。
それかせめて途中まで最下位となってレースを続けられない状態で、クルーズに託すでも良かったと思う…。そうでなければ、ハドソンの親友スモ―キーとの特訓や存在感、スターリングが改心するかもなどキャラが活かせない。
また、ヒロインの弁護士サリーとマックィーンの関係がどうなったか、中途半端なまま終わったのもモヤモヤだった。色々フラグ(?)を立てておきながら、結局"仲の良い友人関係"で終わったのかなぁ。

それでもマックィーンが主人公の『カーズ』をもう一度見れたこと、中盤までは素直に楽しめたので、『2』よりは良かったというのが総評である。『1』>『3』>『2』の順で楽しめました。

【映像の美しさ】
今作『3』は何といっても映像が美しかった。前作『1』も『2』もとても美しかったが、それはあくまで金属の光沢、ゴムや布の質感といった"人工物"に対してだった。しかし『3』は背景の"自然物"までがとても美しく、尚且つデフォルメされたカーズのキャラが変に浮かないといったほどのクオリティだった。ぶっちゃけこれ「写真だよ」と言っても変わらないと思う。あと、ドッグの昔のフィルムを見ているシーンもビデオカメラの映像の古さを見事に表現できているのも驚いた。CGはシリーズ最高クオリティ。

【1と2のキャラ】
1のキャラであるチックが再登場したのは嬉しかった(笑)しかも改心せず、相変わらず嫌な奴で(笑) しかし大型スポンサー"ダイナコ"のキャラたちが再登場したのは良かったが、その重要キャラでもあったキングにこれといって台詞がなかったこと、歴戦のレーサーたちの過去が語られるのにキングの過去は語られなかったことは、キング好きでもある自分にとって残念だった。
また、2のキャラのスパイカー フィンとホリーもチョイ役で良いから出てほしかったなーというのもある。

【声優について】
新キャラが誰が担当するのか、事前情報なしで鑑賞したがまさかの松岡茉優とは驚いた!(笑)
全く違和感がなかった。ストームのオリラジ藤森もほとんど違和感なく、ストームのキャラにあっていた。
メーターの山口智充、サリーの戸田恵子、ルイジのジローラモ、ボブ・カトラスの赤坂泰彦、ダレルの福澤朗
も前2作同様上手かったです。
芸能人は声優ができないなんていうのは、TVアニメばかり見ている声優オタクたちの戯言なのでお気になさらず。

【Apple】
ピクサーの創業者のひとりがスティーブ・ジョブズなだけに、今作もアップル好きならニヤリとするシーンがありますよー(笑)
HF

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