デンマーク発、刑事バディ物のシリーズ3作目。
頑固で無愛想、執念で突き進む刑事のカール。前作でのダメージを引きずって?冒頭では廃人状態。方や温厚派の刑事アサド。アサドのエビス顔が、シリーズの陰鬱な空気を和らげているのはこれまで同様。また時折、絵画的に美しいデンマークの風景が挿入されて、目を凝らしてしまいます。
移民や宗教、文化摩擦などの社会的問題もチラリと示唆されていますが、説教臭くなく。
主眼が置かれているのは、ミステリー要素ではなく人間像。登場人物達の内面や関係性を、その少しずつ変わりゆくさまを、さりげなく、丁寧に描いていきます。もちろん犯行者側の歪みや狂気も。
不幸な巡り合わせから起こる悲惨な事件、といったところがシリーズに通底していますが、ずっとこういう作風なのかな。シリーズ3作を続けて観てきたけど、ちょっと休憩。