あゆぞう

特捜部Q Pからのメッセージのあゆぞうのレビュー・感想・評価

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)
3.9
シリーズ第3作にして最新作

美しいのにどこか物哀しい風景、ていねいに描写された曇り空、歳月のしみこんだ特捜部の空間…全2作と変わっていないのだけれどどこか違う気がする

アウトフォーカスの醸し出す雰囲気、動的なフレーミング、太陽を模した大光量の照明

全2作とは違う監督になり、撮影も「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」のエリッククレスではなくなったと知った

シリーズとして踏襲すべき部分は踏襲し、新たな試みが盛り込まれている

これまで警察側にはいわゆる美男美女は登場せず色気がまったくなかったのだが、今回は若干華やいだ顔ぶれ…男やもめのカール、もしかして…と思わせてくれたりもするキャスティング

絵といい登場人物といい無骨で硬派だった部分が少しくだけた印象で、特異なシリーズとして位置づけている者にとっては残念な作品かもしれない

スリリングな展開、鬼畜といっていい犯人像、お約束の異形の者、救いのない展開…相変わらずのシリーズのよさを味わいながら、プラスアルファである意味普通にも楽しめたので僕は好きだけれど

ただ、宗教をめぐる物語にもなっていて、お盆もクリスマスもそれなりにのっかってしまうザ・ニホンジンの自分には作り手が意図したほどには伝わらない部分が多かったかも知れない

髪の色は違うけど「サイコ」のアンソニーパーキンス思い出してダブルで怖かった

そういえばパーキンスの頭文字はP…ギャーーーーーッ!(あ、鳥肌立った…)

映画化されていない原作がまだいくつかある

カールが元気なうちに次回作見たい
あゆぞう

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