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gifted/ギフテッドのrrriccooのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.0
gifted/ギフテッド

非凡な才能か凡庸な生活か。

フロリダに暮す、少し変わった2人と1匹の猫の家族の物語。
幼い頃に母を亡くしたメアリー(マッケンナ・グレイス)と、彼女を育てる叔父フランク(クリス・エヴァンス)
この2人が魅せた演技が映画により深みを持たせていると思います。
何がってとにかくメアリーがウルトラハイパーめちゃんこ可愛い。
私の語彙力では酷い表現しかできませんがしかし可愛い。ロバータ(オクタヴィア・スペンサー)とのライブは2人とも可愛かった。終始メロメロでした。

しかし可愛いだけで101分もったのかと言うと(もちろんフランクとメアリーが一緒にお絵描きしたり浜辺で遊んだりテレビを見たり歌を歌っているだけでも101分間くらい余裕で観続けられる自信はありますが)そうではありません。
ストーリーとしてはメアリーの「gifted」つまり非凡な数学的才能を伸ばし、メアリーを歴史に名を残す数学者にするか、凡庸な学校に通い友達を作り“普通”の幸せを手に入れさせるか、これを巡って法廷にまでいくわけですが、メインはやはりフランクの葛藤、そして祖母イブリンの執着が段々と明らかになっていきます。特にイブリンの妄執とも言うべき拘りはメアリーの母ダイアナとの確執を産み、ひいてはフランクとの確執に繋がっていきます。そしてダイアナの自殺の真相とは。

結局1番このgiftに振り回されたのはイブリンなのでしょう。彼女自身もイギリスの名門校に進学するほどの優秀さを持ちながら研究を続けるだけの才能を持たなかった。しかし娘にはその才能があると気付いてしまった__。
劇中では触れられていないので想像するしかありませんが、おそらくイブリンも親からの期待(という名のプレッシャー)を受けつつ育ったのかな、と。完全に病理。

しかしながらこの落差によってメアリーの天真爛漫さ、聡明で明るく、かつ年上の男の子からのイジメに対抗する勇気、良いものは良いと認める強さと優しさもはや天使とも言うべき素晴らしさがさらに際立ち何というか最高。
よくぞここまで育ててくれたとスタンディングオベーション拍手喝采👏👏👏
もう私は主役の2人をどう表現すれば良いのかわかりません。
色々な人が言っていますがやはり夕陽に染まる2人の会話シーンと病院でのシーン、そしてラストは筆舌に尽くしがたいものがあります。単純に言うと最高。
何が1番良かったかってメアリーがどちらも選べたことですね…頼むからそのまま2人で永遠に幸せでいておくれ…
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