なやら

SYNCHRONIZERのなやらのレビュー・感想・評価

SYNCHRONIZER(2015年製作の映画)
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良くも悪くも、『世にも奇妙な物語』風でした。ラストの実験室のルックと、シメのセリフの解説っぽさなんか世にも度高すぎます。
『アンラブド』『イヌミチ』みたいな鮮烈なショットもなく、お話的にハネる展開もなく、ただ平板な印象のまま終わってしまいました。せっかく「他人同士が脳を同期する」という、ブッとんだ設定を取り入れているのだから、もっともっと驚きのある展開と描写を観せてほしかった。ポンポン進んでいってある程度は面白いのですが、あくまで『世にも〜』レベルの想像力を超えてくれません。クローネンバーグでは全然ないです。あの手のフェチらありません。増村っぽさも良くわかりませんでした。愛憎劇としても、割とサラッとしてます。

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公開初日ということで、鑑賞前に監督・俳優陣による舞台挨拶があったのだけど、これが完全にマイナス。出てくるだけでネタバレになってしまう女優二人を登壇させる宣伝担当者の意図が分からない。その女優さんたちは質問を受ける度「ネタバレになるから何も話せない」と窮していたけど……アナタたちがそんなリアクションをすればするほどネタバレになるんだよ!

そのせいでこの映画最大のシビれるポイントだと思われる、ある登場人物の「変化」(変態?)をこれ見よがしなティルトアップで見せつけるショットにあまりグッと来る事が出来ずショック!筋も予想出来ちゃってなんだなあと言う感じだったけど、何よりこの監督入魂と思われるキメショットにノレなかったのが悔しい。

件の挨拶が鑑賞前だったのは、監督・キャストの方々の時間の都合かなと思っていたら、なんと終映後も皆さんロビーにいらっしゃる!ならばハナから映画が終わった後にトークをすればいいではないか……だいぶ損した気分。
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