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フルトヴェングラー/その生涯の秘密のmhのレビュー・感想・評価

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20世紀を代表する指揮者フルトヴェングラーのドキュメンタリー。
全編モノクロ。
IMDBだと「Portrait Wilhelm Furtwängler(1968)」というやつであってるっぽい。苦労して見っけたのにぜんぜん詳しいデータがなかった。有名ではないドキュメンタリーがなぜか日本でソフト化されてある程度流通したという状況のようだ。
そのせいなのかどうなのか字幕がチープ。一行あたりの文字数が多く、へんなところで区切ってるためめちゃ読みにくい。発言に対して日本語が少なかったり、なんの説明もなく突然、ヒンデミット事件やら、ブレヒトやらが登場する。
カラヤンについてもあるかと思ったらノータッチだった。
前半はほぼいわゆるドキュメンタリーで、後半になると演奏シーンが多くなる。
ラス前の「ニュルンベルクのマイスタジンガー」は、いくつかの映像を編集しているみたい。
メインはこれ、
https://youtu.be/mt6DSyb7k8Q
コメント欄を信じるのであれば1942年4月15日の演奏。当時のニュース映画で撮影はあのレニリーフェンシュタール! ユーチューブにあがっているこのバージョンは高画質で素晴らしい。鑑賞者のまなざしを別撮りして抒情性を高めているあたりが実にレニっぽいんだけど、レニだと確定しているわけではないみたい。
ヒムラ―、ゲッペルスはこちらには登場しない。ヒムラ―、ゲッペルスや眼帯の男(7月20事件のシュタウフェンベルク大佐ではないっぽい)が写りこんでいる映像もユーチューブにはあがっている。こちらは1942年4月19日の演奏。
どっちも同じニュース映画だし、著作権に対する考えもまだ未整理だったころだし、よく考えずに切ったり張ったりしちゃったんだと予想する。
そのせいでフルトヴェングラーがナチ協力者みたいな映像になってて笑えない。
レジスタンスとの関係についてのインタビューもあったりするんだけど、なにぶん唐突で、あとからググって把握することが多かった。
おれはたまたまググり魔だから楽しくていいんだけど、これはなかなかハードルが高いんじゃないか?
フルトヴェンクラーが題材の映画「Taking Sides」は日本未公開なのか。見たいなー。
勉強になった、面白かった!
mh

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