FREDDY

相棒 劇場版Ⅳ 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

水谷豊が主演を務める人気テレビドラマ「相棒」の劇場版シリーズ第4作目である本作。印象としては、気軽に楽しめる作品であることに間違いはないのだが、評価を下げる敗因となるものが際立っている点は否めないですね。杉下右京を演じた水谷豊や冠城亘を演じた反町隆史をはじめとした既存のキャスト陣の演技力はもちろんのこと、それぞれが長年演じ築き上げた登場人物らはとても魅力的で"役"ではなく"キャラクター"という印象が強く、今作のゲストキャラクター、マーク・リュウを演じた鹿賀丈史や、黒衣の男を演じた北村一輝もやはり安定感のある演技はとても良くて、さすがの一言。ただ、そんな実力派俳優陣に板挟みにされ自身の演技力が浮き彫りにされてしまった、鷺沢瑛里佳を演じた山口まゆには同情すら覚えるほどで、物語の鍵となる役を演じているせいもあり、彼女のお世辞でも上手とは言えない演技は評価を下げる大きな敗因になってしまっている。そして、イギリスの日本領事館関係者が集団で毒殺された7年前の事件を下敷きとした、50万人の観客が集まる国際スポーツ競技大会の凱旋パレードを狙ったテロ計画を阻止すべく、事件解決に奔走する警視庁特命係の杉下右京や冠城亘の姿が映し出されるわけなのだが、大勢の日本国民がターゲットになる展開は過去にも描かれていて、正直、残念な気持ちにさせられたことは確か。だが、今作は登場人物らの背景がしっかりと見えているので物語に深みを感じましたし、決して悪くはない。ただやはり、ここにも大きな落とし穴が。というのも、終盤で明かされる事件の黒幕はもはや"黒幕"ではなく、誰がどう見ても"彼"であると冒頭で確信してしまうほどで、ならば"彼がどうして事件を企てたのか"と人物像に焦点を当ててしまうと、映し出されるドラマが薄味に。そして、それを補うかのように"事件の協力者"にも焦点が当てられるのだが、印象としては、とってつけただけの"おまけ"といったところで、面白みはない。本作は何も考えずに視聴することが前提となる作品としか言いようがありません。なのでオススメは難しいですね。
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